小さい丘の上にある小さい家に、時計作りのじょうずな時計じいさんが住んでいました。 その時計じいさんは、素敵な時計を、ひとつひとつ、ゆっくり、ゆっくり作って生活をしていました。 ある日、そんな時計じいさんのところに、大金持ちのわがままなお客がやってきて言いました。 せかいで いちばん おおきくて、そこで時計じいさん、大弱り。 さてさて、時計じいさんはどんな時計をつくるのでしょう・・?? 話は変わるようですが・・・ 先日、ユミコさんという方から、私のHPを見てメールをいただきました。 「絵本気分」のリストを見て、びっくり!! と申しますのは、長年 私が探しつづけていた「とけいじいさんのとけい」があったからなのです。 から始まる文章には、この絵本「とけいじいさんのとけい」は今、販売されていないことと、ユミコさんのこの絵本に対する思い入れを充分に感じることのできる内容が記されていました。 そして、最後に・・・ とてもぶしつけなお願いで、大変心苦しいのですが譲っていただくことはできませんでしょうか。 ○○○○円まででしたら、出させて頂くつもりです。 ご希望のお代をお支払いいたします。 もし、ご無理でしたら おっしゃって下さいね! という文章が・・・。 戸惑いを感じながら、もう1度ユミコさんのメールを読み直してみました。 そうすると、「とけいじいさんのとけい」は私以上に、ユミコさんにとって思い出深いものだというように感じました。 でも、だからといってお金をいただいて、差し上げる気持ちにはなりませんでした。 まず初めに、そんなに思いのある絵本ならプレゼントさせていただこうかと思いました。 きっとその方が、絵本「とけいじいさんのとけい」も、嬉しいのではないかと・・・。 そう思いながら、久しぶりに絵本「とけいじいさんのとけい」を読んでみました。 読み出すと、私なりの私の思い出が蘇りました。 大人になってから初めて手にした絵本を読んだ時とは違う、何ともいえないホワッとした優しい気持ちになったのです。 そして、その私の気持ちと一緒に、お断りの返事を送りました。 その後、ユミコさんから「とけいじいさんのとけい」を入手することができたという嬉しいメールをいただき、ホッとしました。 ユミコさんからいただいたメールの中から・・・ 「とけいじいさんのとけい」は、絵柄が明るく楽しいですし、何と言っても、てんとう虫の形をしたあの時計がたまらなく魅力的で何度も同じページを眺めていました。 そんな私の様子を見た両親が、同じようなてんとう虫型の時計を買ってきてくれたのです。 赤い色はついておらず、全体がシルバーでしたがとても嬉しかったんです。 その文章から、そういえば、私はハチが飛んでいる花時計が大好きで、横に描かれた女の子と一緒に、うっとりとそのページをよく開けていたな・・・と思い出しました♪ これもユミコさんのお言葉です・・・ 絵本には、大人が想像する以上にいろんな不思議な力がありますよね。 私自身もその力を分けてもらったなあと感じますし、息子達を見ていてもそう思います。 あ〜っ・・・その通りだ!! 小さな頃、人見知りが激しく内気だった私なのですが、絵本に力をもらったことがあることを、ユミコさんのメールから思い出しました。 そして、今回のユミコさんとの出会いで、これから大きくなるじゅん君が、そのいろんな不思議な力をたくさん得られるように、出来る限り多くの絵本を彼に読んであげようと思いました。 それは、この先、じゅん君の財産に成るかもしれない・・・。 私は、ユミコさんに出会えてよかったです。 長くなりましたが、最後に・・・ 時計おじさんは、その大金持ちでわがままなお客の求めている時計を、作るのでなく、見つけました。 それは、“たいよう”です。 |
| 作:前川康男 絵:高橋透 チャイルド本社 |